速 報
上信越国立高原 烏帽子岳・湯ノ丸山の花
梅雨明けが早かった今年ですが、その後ははっきりしない日が多くなっています。8月2日、この日も朝は雨模様でしたが、浅間山と菅平の間に位置する、烏帽子岳(標高2,065m)・湯ノ丸山(2,098m)に行ってきました。
標高2,000mちょっとの亜高山帯にある山ですが、このあたりは太平洋気候と日本海気候が交錯する位置にあることもあって植物の種類がじつに豊富で、高山植物も多く見られます。
山歩きとしても、二つの山を周遊しても、湯の丸スキー場のある地蔵峠から4時間ほどで、さしたる急登も危険箇所もなく、手頃な山といえます。
コースの起点となる地蔵峠は標高1,732m。烏帽子岳、湯ノ丸山への標高差は300m足らず。その手軽さと山頂からの展望、また花が豊富なことから多くの人が訪れる人気の山だ。
地蔵峠の駐車場の向かい側、ロッジ花紋の右側の道を行くと間もなくキャンプ場に出る。ここまででも、ツリガネニンジン、シャジクソウ、エゾスズラン、ハクサンフウロ、クガイソウなどが随所に見られる。キャンプ場に入り、さらにそのすぐ奥の臼窪湿原に入ると花の種類はさらに増え、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)、コオニユリ、ホソバノキソチドリ、ヤマハハコ、カワラマツバ、シュロソウ、ワレモコウ、シモツケソウなどがこれに加わる。
キャンプ場を過ぎると、道は湯ノ丸山の裾を左に巻くように行くゆるい登りになる。はじめは明るいカラマツ林の中を、「中分岐」を過ぎると広葉樹の林の中を行く。このあたりから、ハクサンオミナエシ(コキンレイカ)、ホザキイチヨウラン、また、湯ノ丸山との分岐となる「鞍部」を過ぎると、ヤナギラン、マツムシソウ、ウスユキソウ、ヤマオダマキ、シナノオトギリ、ミヤマホツツジなどが現れる。
稜線に出る少し手前になると樹木がなくなる。このあたりから山頂まではお花畑の連続だ。咲いていた花を列挙する。カワラナデシコ、アオヤギソウ、トモエシオガマ、イブキジャコウソウ、オンタデ、イワキンバイ、コウリンカ、クルマユリ、マルバダケブキ、イワインチン、ノギラン、アカショウマ、クロマメノキ、オオバギボウシ、シシウド、アキノキリンソウ等々。
歩きはじめは雨だったが、烏帽子岳の稜線に出るころには雨もあがり、ガスの間から東御市や小諸市の市街が望めるようになった。残念ながら、菅平、八ヶ岳や北アルプスは最後まで雲の中だった。
湯の丸山山頂(南側ピーク)から浅間山方面を望む。最後方でガスの合間に見えるのが浅間山、その手前で平坦に見える山の右端が黒斑山、さらに手前に二つ見えるピークの右が東篭ノ登山、左が西篭ノ登山、右下は湯の丸スキー場のゲレンデ。
湯ノ丸山山頂付近から望む烏帽子岳。中央下側からトラバース気味に登り、左側の鞍部で稜線に出て右に稜線をたどる。山頂は右のピーク。
烏帽子岳と湯ノ丸山の鞍部に向かう道。湯ノ丸山の中腹を巻くようにしてゆっくりと登る。このあたりにも花は多い。
烏帽子岳から望む湯ノ丸山山頂。二つの山の鞍部(中央下の草地のところ)からまっすぐに登る。右のこんもりしたところが山頂。
湯ノ丸山山頂から望む烏帽子岳。山頂は右のピーク。